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T-38/F-5

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 双発ジェットの超音速高等練習機であるノースロップ社のT-38 Talonは、1959年3月10日の初飛行からすでに60年以上、今も現役で飛び続けている名機です。機体の優秀さはもちろん、そのフォルムの美しさには魅せられます。FlightGearにある機体としても、T-38は戦闘機タイプのF-5を含めて機体ファイルが3つもあるというのは珍しいことで、T-38好きの方は多いのかも知れませんね。

 長年使われてきた機体ですから、ペイントは豊富です。色塗りが下手な私は、プラモデルと違い3Dモデルのテクスチャーは失敗してもやり直しがきくのが気楽で、いつのまにか画像ファイルを書き溜めていました。せっかくなので特別展示にしてみました。







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 もともと軍用機はイマイチ好きになれないのですが、例外の一つとして子供の頃から好みだったのがT-38 Talon。お気に入りには、見た目も大きく影響します。どこに惹かれたか、戦闘機タイプのF-5とも比較してみました。

 T-38は時代を反映して、その前の世代のセンチュリーシリーズとよく似ています。エアインテークの形は、鯉のぼりのようなF-100の機首にそっくりですし、直線翼のような主翼のイメージからは機体全体がF-104のようなスマートさを感じます。

 古くささで言えば、さらに、キャノピーが後方視界の悪そうなファストバックになっていて、同時代のF-4 Phantom IIほどではないにしても機体後方の背の部分が直線的なところが厳しく、特にF-5では円錐形そのもののノーズコーン上部からの延長線とこれがキャノピー位置で直線的に交わってくることでなお厳つさが強調されます。

T-38ではしゃくりあげたような機首とタンデム複座で大きなキャノピーの曲線がこれを救い、Su-27 Flankerのような鶴の首を思わせる流麗さが新しく、胸のふくらみ、腰のくびれとともになんとも言えない魅力となっています。

 同じ系統なのに、片や新しく片や古臭く厳しく、これほどまでに違って感じることってあるのですね。

〈2つのパッケージ〉 FlightGearにはT-38 Talonが2つ存在します。David Culp並びにEmmanuel Barangerによってつくられたものです。








T-38 Talon


 練習機ながらアフターバーナーを装備し、超音速を発揮できる優秀な双発ジェットの高等練習機として高く評価されたT-38は、1100機以上生産されることになりました。

 Wikipediaによれば、「小型軽量の機体で飛行性能が安定しており、整備性が良いため稼働率が高く運用コストも少なく済み、また双発機であるためアクシデントにも強い」という特徴をもち、「クセがなく扱いやすい操縦特性となっていることから、中高速域での運動性能は第4世代機と比較しても遜色がない。そのため、過去にアメリカ空軍のアグレッサー部隊で使用されたほか、戦闘機導入基礎課程(IFF)で基礎的な戦技の導入教育に使用されている。アメリカ空軍で行われた模擬格闘戦において最新鋭のF-22に撃墜判定を出したこともあるなど、技量次第では第5世代機にも対抗しうる能力を有する」とされます。

 よほど優秀な機体だったのでしょう。2019年現在で米空軍が運用していたT-38は約500機だったそうです。鏡面のようにピカピカの機体の写真も、よく見るとデコボコが見て取れ、大事に扱われてきたことがわかります。

 T-38 Talonにかわる米空軍の高等練習機の後継機(T-X)には、ボーイングとサーブの共同開発によるT-7 RedHawkと決まり、今後順次置き換わっていくことになるのでしょう。



〈ジャクリーン・コクラン〉

 米国の女流飛行家といえばアメリア・イアハートが有名ですが、実績ではその友人であるジャクリーン・コクラン(Cochran)がすごいです。

 1938年に男性陣をさしおいて米大陸横断レースに優勝して有名になり、戦争中は女性で初めて爆撃機を操縦して大西洋を横断したり、1953年には48歳で女性として初めて音速飛行を行い、さらに1961年には56歳にして同じくマッハ2を突破。この頃は、ノースロップ社のコンサルタントとしてT38 Talonを操縦し、一連の記録を達成していたさ中のことだったようですね。

   彼女の記録の中には男性パイロットにも破られていないものがあり、男女問わず初めて計器飛行したパイロットでもあるそうですから、まさにたまげた女傑です。








Thunderbirds


 アクロバット飛行といえば、米国空軍のサンダーバーズと海軍のブルーエンジェルスが有名です。ともに世界最高レベルの高いアクロバット飛行技量を誇っています。

 T-38Aは、1974年にF-4E Phantom IIの後を受け、1982年にF-16A Fighting Falconにゆづるまで、サンダーバーズの使用機としてアクロバット飛行に活躍しました。

 flightgear用のもとの3Dモデルでは機体尾部上面のペイントが上手く描けませんので、少々モデルの方をいじりました。








T-38 vs F-22


 いかに優れているにしても第3世代の練習機であるT38 Talonに、第5世代の中でも最強とされ驚異的なキルレシオを叩き出しているF-22 Raptorが模擬格闘戦で敗れることがあるなんて。実際にそれが起きたのは2009年のホロマン基地でのこと。動画まで出回っています。相手は近代化改修を受けたT38Cで、操縦者もベテラン教官だったようです(注参照)。

 EN 88FTSの当該T38Cのエアインテークにある白いものは、Raptorを意味するキルマーク。2つあるということは、一度ならず二度までもRaptorはTalonに撃墜判定をくらったことになります。しかも、シェパード基地所属ですので、先のホロマン基地の機体とはまた別となると、Raptorは案外撃ち落とされてるのかも。Talon2機でRaptor25機に撃墜判定を与えたとキルマークの写真付きの記事を載せたベトナムのサイトがありましたが、あながちフェイクではないのかもしれません。

 ちなみに、模擬格闘戦のスクリーンショットの機体は、ラングレー基地所属機です。

  戦闘スタイルが変わり、ファーストルック・ファーストショット・ファーストキルの時代となったにしても、「有視界戦闘においても卓越した戦闘能力を持つ」(Wikipedia)はずのRaptorが、これで大丈夫なのでしょうか。

 とはいえ、米国・国防高等研究計画局(DARPA)が2020年に催した人間とAIによるF-16をシミュレートした史上初のドッグファイトでは、AIが経験豊富な元空軍F−16パイロットに5:0で圧勝したとか。さらに11年で大きく変わったものです。

 なお、T-38Cはエアインテークの形がT-38Aと異なり違いが一目瞭然なので、3D モデルに変更を加えています。

  注)2009年上旬、ニューメキシコ州ホロマン空軍基地にて、第49戦術戦闘航空団所属のF-22と、第46試験飛行団所属のT-38が有視界戦闘訓練を行いました。
 試験飛行団というのはアグレッサー(敵役)や開発機、実験機の試験を行う部隊で、特に優秀なパイロットが配属されています。演習に参加したT-38を操縦していたのはこの試験飛行団の隊長で、まさにエース中のエースです。
(引用:GAGAZINE F-22が練習機に「撃墜」されていた 2010.9.7 らーし)









F-5


 T-38と同じ系統なのに、古臭く厳しく感じるとディスっているF-5ですが、初飛行がF-5Aが1959年、改良型のF-5Eが1972年で、以来現在も使用され続けているとなると、とりあげないわけにはいきません。

 開発当時、東側陣営のMiG機に対抗して西側諸国と友好関係にある発展途上国に供与できる戦闘機が必要になっていましたが、F-86やF-84は旧式化しており、より新しい機体は複雑さ・性能・価格・軍事機密などの面で適さず、ちょうど他社との競争で後れを取っていたノースロップ社が海外市場に活路を見出そうと自社開発していた機体が、F-5A Freedom Fighterとして採用されることになりました。生産数は、F-5A/B系、F-5E/F系あわせて2200機以上。

 空中給油の画像は、海外向け実績づくりのためにおこなわれたベトナム戦争でのスコシ・タイガー作戦に参加したF-5Cのつもり。タンカーのKC-135からはブームがでていますが、F-5Cは明らかにプローブが見えるので、ここではフライングブームの先にドローグのついたホースをつなげて給油しているものと思われます。やむなく、実例を参考にして3Dオブジェクトを追加しました。

 なお、FlightGearにある機体は、改良型のF-5E Tiger II。Prestes Hangarより手に入れたものです。偶然の産物であるストレーキがF-5Aより拡張され、尾部上面の突起(空気取り入れ?)がなくなっていることから、なんちゃってF-5Aの作成のためにその部分だけ3Dモデルを改造しました。なお、元の3Dモデルの胴体尾部が展開されないままなのに気付かず、そのため少々ペイントがくるっています。








Sundowners


 F-5は、アメリカ空軍・海軍・海兵隊にて「抜群の運動性能と類似する機体サイズから、トップガンなどの空戦訓練教程での仮想MiG-21あるいは汎用の仮想敵機として長く使用」(Wikipedia)されてきました。特に海軍は、2020年予算に計上までしてスイス空軍の中古機を取得、再生・改造のうえでF-5Nとして再就役させています。

 仮想敵機のことを、米空軍ではアグレッサー、米海軍はアドバーサリー、海兵隊はスナイパーと呼んでいます。アグレッサー機としてはAT-38やT-38Cがもっぱらに見えます。アドバーサリー機、スナイパー機はF-5E、F-5Nが使用されています。

 米海軍でアドバーサリーを務める飛行隊の一つ、第111混成戦闘飛行隊(VFC-111)は、もともと第2次大戦中の1942年に日本軍に対抗するために創設された米海軍の第11戦闘飛行隊(VF-11)に与えられたサンダウナーズの名前を受け継ぎ、所属機の垂直尾翼に落日と思われる放射状に光を放つ太陽の図柄を描いていることで知られています。

 戦後75年以上になろうというのに、サンダウナーズが飛び続けているということは、今も米国は日本を敵国扱いしているにほかなりません。日本が友好国ならサンダウナーズなどと日本を蔑んだ失礼な名称を使うのは控えるはず。あえてサンダウナーズの呼称を使い続けるのは、「逆らえば容赦しないぞ」と戦勝国が敗戦国に教訓を垂れる意図があるからなのでしょう。








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